着物で歩く城下町さんぽ

最上氏の居城、山形城を中心に商人や職人の町が発展し、現代にもその名残が色濃く息づく山形市の城下町エリア。そんな風情たっぷりの街並みを優雅に散策したいなら、おしゃれな着物姿がピッタリ。普段の装いとは違った気分で、山形ならではのグルメやショッピングを存分に楽しみたい。

藩政時代の由緒を訪ねながら歴史情緒に遊ぶ

  • 山形城は、斯波兼頼(最上氏初代)が延文2(1357)年に築城。最上氏11代の義光の時代によって城郭の礎が固まり、城下町も大いに発展した。町人による経済活動を重視して町割りがなされているのが特徴で、五日町や十日町、旅篭町といった町名が今も使われている。また、職人町としては銅町などの名が残り、すぐれた技術をもつ職人たちを集めて城下の中枢部に置いていたことを伝えている。

とみひろ ろうまん亭

  • まずは、城下町の散策にふさわしい衣装を身にまとうため、山形駅前にある着物ブティック「とみひろ ろうまん亭」へ。

  • 安土桃山時代に薬種商として創業、江戸時代に入って17代目冨田伝兵衛が六日町に呉服店を開いてから、今日まで長く暖簾を守り続ける老舗「とみひろ」。山形駅前大通にオープンし、40年になる「ろうまん亭」は、ハイセンスな和モダンの店内で、カジュアルに和装を楽しみたい人にうってつけの着物ブティックだ。

  • 若い世代や観光客に人気なのが「着物レンタル」。着物の着方が分からなくても、プロが丁寧に着付けをしてくれるので安心だ。女性はもちろん、男性用の着物も用意。6〜8月限定で浴衣のレンタルも行っている。17時まで要返却の1デープランがメインで、1人6600円。オプションで550円追加すれば、翌日返却も可能。ヘアセットやメイクを希望する場合は、近隣のヘアサロンを紹介してくれる。当日受け付けが可能だが、山形花笠まつりや山形大花火大会などのイベント時、観光シーズンには殺到するので、電話やメールで事前予約するのがおすすめだ。

  • 着付けレッスンや季節のイベントも随時開催。気鋭の着物作家による展示販売会も好評なので、ホームページやSNSでチェックしてほしい。

住所 山形県山形市香澄町2-2-42
アクセス 山形自動車道山形蔵王ICより車で約12分
駐車場 あり
TEL 023-631-0610
営業時間 10:00~18:00
定休日 不定休
公式HP https://kimono.tomihiro.co.jp/
Instagram https://www.instagram.com/roumantei/

山形まるごと館 紅の蔵

  • 心晴れやかに着物姿で歩いて十日町に差し掛かると、重厚な旧家の蔵屋敷を発見。気になってガラス戸越しに館内を覗いてみたら、色とりどりの商品が並ぶ棚や買い物を楽しむお客の姿が。気づいたら、扉を開けて店内に飛び込んでいた。

  • 「山形まるごと館 紅の蔵」は、かつて紅花商人だったマルタニ長谷川家の蔵屋敷をリノベーションした複合観光施設。山形の特産品を販売するおみやげ処「あがらっしゃい」をはじめ、地元生産者が丹精込めて栽培した新鮮な農産物を販売する直売所、山形の歴史・伝統・文化などを発信する観光案内所を併設している。さらに、西蔵王高原で自家栽培したそば
    粉で打つ「そば処 三百坊」と山形牛を堪能できる洋食店「Bubula.」で、山形の風土を感じられる味覚も楽しむことができる。

  • 「おみやげ処あがらっしゃい」には、山形の銘菓はもちろん、季節ごとに変わる漬物や伝統工芸品などバラエティーに富んだ品揃えがズラリ。大切な人へ贈りたい選りすぐりのお土産を入手したいならおすすめのショップだ。そして、店舗の奥にあるのは…。

  • 山形の地酒を味わえる日本酒試飲機! 店舗限定のお酒を含む6種類から選べ、1杯100円で楽しむことができる。もちろん、気に入ったお酒を購入することも可能。くれぐれも飲み過ぎにはご注意を。

住所 山形県山形市十日町2-1-8
アクセス 山形自動車道山形蔵王ICより車で約10分
駐車場 あり
TEL 023-679-5101
営業時間 あがらっしゃい10:00~18:00 ※施設により異なる
定休日 施設により異なる
公式HP https://beninokura.com/
Facebook https://www.facebook.com/beninokura/
Twitter https://x.com/benikura
Instagram https://www.instagram.com/beni_no_kura/

水の町屋 七日町御殿堰

  • 数多くの商店や飲食店が集まる七日町のにぎわいの中を探検。ホテルやビルの狭間からサラサラとせせらぎが聞こえてきたので、その発信源へ近づくと、清らかな水が流れる石積みの用水路とレトロな町屋風の商業施設と出合った。

  • 馬見ケ崎川から取水し、農業用水路として活用されてきた「山形五堰」。御殿堰はその1つに数えられ、約400年前に造られたといわれている。市街地を網の目のように流れる堰は全国でも珍しく、独特の景観を生み出している。そんな親水空間を生かし、市民憩いの場として再開発された商業施設が「水の町屋 七日町御殿堰」だ。

  • 母屋と蔵で8つのショップや飲食店が営業。創業120年の呉服と小物の店「結城屋」をはじめ、日本人で初めてフェラーリをデザインした奥山清行氏のショップ「ken Okuyama CASA」、郷土料理や地酒が楽しめるレストラン「れんげ草」など、どれも個性的な顔ぶれが並んでいる。堰に沿ってイスやテーブルも設置されており、暑い季節は風に揺れる柳の木の下で涼を求める人たちでにぎわう。

住所 山形県山形市七日町2-7-6
アクセス 山形自動車道山形蔵王ICより車で約10分
駐車場 お近くの有料駐車場をご利用ください
TEL 023-623-0466(七日町御殿堰開発株式会社)
営業時間 店舗により異なる
定休日 店舗により異なる
公式HP http://gotenzeki.co.jp/index.html

そば処 三津屋本店

  • 城下町さんぽを続ける元気を、郷土ならではのグルメで得ようと山形駅前エリアへ。長い歴史を感じさせる門構えに心惹かれて店内に足を踏み入れたら、老舗ならではの心地よい空間にそばとカツオ出汁の魅力的な香りでいっぱいだった。

  • 大正時代から続く山形市を代表するそばの名店。地元の人からも長く愛されている老舗で、昼時には長い行列を作っている。清らかな水と良質なそば粉にこだわり、老若男女、誰の口にも合うそばを提供するのが信条。手間を惜しまず打つそばに、やや甘めに仕上げたつゆを合わせ、その繊細な調和を堪能させてくれる。しみじみと和の情緒を感じさせてくれるような、奥深い味わいの献立ぞろいだ。

  • この店の名物は「大板そば」3900円。農作業や集会後に振舞ったのが由来とされている山形伝統の盛り付けで、店名入りの板箱に盛られたややコシの強いそばは5、6人前とボリュームたっぷり。その見た目に驚かされるが、男性なら2人でちょうどよいくらいだろう。冬でも人気のメニューだが、具材多彩な温かいそばや丼ものもおすすめだ。

住所 山形県山形市上町1-1-75
アクセス 山形自動車道山形蔵王ICより車で約13分
駐車場 あり
TEL 023-644-4973
営業時間 11:00~14:30・17:00〜19:30(水曜は昼のみ営業)
定休日 火曜
公式HP https://soba328.com/

霞城公園

  • 最後に訪れたのは、国指定史跡にもなっている山形城跡を復原整備した「霞城公園」。

  • 国指定史跡で日本100名城に選定されている山形城跡は大戦後、「霞城公園」として一般公開され、山形市のシンボルとなっている。近年、発掘調査と復原工事のプロジェクトが始まり、1991年には城門の「二ノ丸東大手門」、2005年には「本丸一文字門大手橋」などの復原が進み、往時の姿を取り戻しつつある。敷地内には、山形城の礎を築いた出羽山形藩の初代藩主、最上義光の雄々しい騎馬像が存在感を放ち、来園者を出迎える。
    また、明治時代に建てられた擬洋風病院建築「旧済生館本館」を移築復原した「山形市郷土館」や、「山形県立博物館」「山形美術館」「最上義光歴史館」などの文化施設もあり、この地で培われた豊かな郷土文化に学ぶことができる。

  • 春になると、約1500本もの桜が園内に咲き誇り、山形市随一の桜の名所として大いににぎわう。例年4月上~中旬には「霞城観桜会」を開催。この期間、夜間に東から南濠沿いの桜がライトアップされ、公園内外で幻想的な夜桜を楽しむことができる。

住所 山形県山形市霞城町1-7
アクセス 山形自動車道山形蔵王ICより車で約15分
駐車場 あり
TEL 023-641-1212(山形市公園緑地課)
営業時間 見学自由
公式HP https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kakuka/machizukuri/koen/sogo/yamagatajo/kajo/

  • お気に入りの着物で歩く、山形市の城下町さんぽ。歴史情緒を感じるとともに、現代に受け継がれる伝統の素晴らしさや地域愛にふれる絶好の機会になるだろう。

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